Arturia ARP2600 V User Manual Page 9

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ARTURIA – ARP2600 V – USER’S MANUAL
9
アープ・シンセサイザーのオシレーターは、モーグ・シンセサイザーより安定し、信頼性の高いもの
でした(ロバート・モーグ氏もその事実を認めています)。しかし、アープ社は長い間フィルターの
電気回路の産業著作権を侵害していたため、修理を行う場合に大きな問題も引き起こしていました。
1972 年、アープ社はその 1 年前に発売されたミニモーグとの対抗商品として「Odyssey」を発表し、
同じ年にプリセット型のシンセサイザー「The
Pro-Soloist」を発表しました。
1976 年、アープ社は 2 系統の独立した 8 ステップ・シーケンスを作成できる 16 ステップ・シーケン
サーをリリースし、非常に高い人気を誇りました(アープ 2600 V でもこのシーケンサーはエミュレ
ートされています)。同年、「Omni」も発表されました。これはアープ社で最も成功した商品です。
Omni」は 2 音ポリフォニックでバイオリン・サウンドとベース・サウンドが特徴的なシンセサイザ
ーでした。
しかし 1976 年頃、ギター・シンセサイザー「the Avatar」の開発プロジェクトによって大きな負債を
抱えることになりました。アープ社は「the Avatar」の開発に 400 万ドルかけましたが、この商品が
生み出した利益は 2 年間でたったの 100 万ドルでした。アランR・パールマンは開発当初からこの
プロジェクトに反対でしたが、アープ社の増え続ける負債に直面し、更なる商品開発の必要性に迫ら
れることになりました。
その後、1981 年にアープ社は CBS に買収され、CBS と元アープ開発チームがプログラム可能なポリ
フォニックシンセサイザー「Chroma」をリリースし、1984 年には「Chroma」を簡易化し、MIDI 機能
を搭載した「Chroma Polaris」をリリースしました。
1.2 TAE®技術により忠実なエミュレーションを実現
TAE
®
とは、True Analog Emulation (トゥルー・アナログ・エミュレーション)の略で、アナログ機器
をデジタルで再現するための技術です。
TAE
®
が持つアルゴリズムは、ソフトウエア上において、ハードウェアの持つスペック、特徴を忠実
に再現することができます。そして、この技術こそアープ 2600 V の音色クオリティーが他の追従を
許さない決定的な理由であるといえます。
さらに詳しく TAE
®
を説明していきます。
1.2.1 折り返しノイズのないオシレーター
標準的なデジタル・シンセサイザーは、高周波数帯域において折り返しノイズ成分を作り出します。
パルスウィズ・モジュレーションやフリケンシー・モジュレーションを使用している場合についても
同様です。
TAE
®
は、全ての処理(PWM FM など)において、折り返しノイズ成分のないオシレーター波形を
CPU に余分な負担をかけることなく作り出すことが可能です。
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